雇われずに生きること

確定申告が終わった。
自分が個人事業主であることを、
痛烈に感じる時期である。

会社や役所等の組織に雇われて働くことと、
独立してフリーランス、個人事業として働くことには、大きな違いがある。

僕が毎日、ピアノを練習したり、作曲したり、フライヤーを作ったり、クライアントとメールのやり取りをしたり、DMを郵送したりといった仕事には、1円の収益も発生しない。
組織に雇われているなら、こうして仕事をしてる時間に対し、お給料が支払われるだろう。
僕らにはそれがない。

これらの仕事が、ライブの集客に結びついて、初めて収益を手にすることができる。

もしお客さんが少なかったら、収益は少なかったり、ゼロだったり、赤字だったり。
往復の交通費も宿泊費もムダになる。

「仕事で旅ができていいですね」
なんて気楽に言ってくる人がいるけど、
1回の遠征の為に、前後も合わせて3日拘束。
組織と違って、出張手当もないし、交通費も宿泊費も自腹で、
しかも収益もないかもしれないのです。

時間をかけて作曲し、家にこもって練習し、
自腹を切ってレコーディングをしても、
CDが売れなければ、大赤字。

それもすべて自己責任。
誰のせいでもない、
自分の音楽が魅力がなかっただけ。
だから、そんな自分を責め続けてしまう。

そうしたことが続いても、何年も続いても、
演奏できる喜びを感じ、
聴いてくださる方への感謝を感じながら、
心が折れずに音楽を続けていける人が、
どれだけいるのだろう。
家族を養える人が、どれだけいるのだろう。

古今東西、そうしたなかで、
多くの芸術家たちが、
芸術をやめた。
生きることをやめた。
気が狂った。
蒸発した。

僕は、いつまで生きれるのだろう。

混沌にこそ未来が

音楽で食うということ。社会。子育て。ピアニストの日々。

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